与鳳行 ~三界の運命の絆~
上古の神々は逝き、この世に残された最後の神君は行止ただ一人となった。
数万年もの間、天外天に独り住まうこの行止神君は、無情で欲もないと噂されていた。仙魔大戦では、彼は単身で危機を救い、その後は門を閉ざして世を避け、その神姿を見ることは極めて難しくなった。
数百年など、彼にとってはただの瞬きのようなものだ。
魔界で珠を銜えて生まれた女王爷、沈璃は千歳の誕生日を迎えようとしていた。そこに、政略結婚の魔の手が容赦なく襲いかかる。
逃婚の途中、沈璃は鳳凰の本来の姿に打ち戻され、傷を負って人間界に墜落した。重傷で意識を失っている間、彼女は人間の商人によって「太った鶏」と勘違いされ、全身の羽をむしり取られ、檻の中に閉じ込められて売りに出されてしまった。
目を覚ました沈璃はこの状況に仰天し、激怒したが、どうすることもできなかった。
しょんぼりとうなだれていると、一人の青い衣に白い裳を纏った清楚な男が通りかかり、しばらく思案深げに彼女をじっと見つめた。そして、ふっと笑って言った。「これを貰おう。」
一見何気ないこの取引によって、二人の運命はしっかりと結びつけられたのであった。